唯識と論理療法

唯識と論理療法
岡野 守也 著
校成出版社、2004年

タイトルからして、何やら難解そうで自分には関係なさそうだという声が聞こえてきそうな一冊です。確かに、「唯識」にしろ「論理療法」にしろ、あまり日常会話に上る言葉ではありません。従って、著者は本書の中で、「現代の日本人が、仏教と心理学・心理療法の両方を、統合したかたちで日常生活に活かして使うための一つのヒント」を平易に示し、それらの領域に門外漢の人にも受け入れやすく(読みやすく、理解しやすく)しようという試みがされています。

 著者は自身が申されていますが、仏教徒ではありません。元々は神学を学ばれた後、牧師と兼務で出版社に勤務しながら、仏教、心理学、エコロジー、ホーリスティック医学などを学ばれた「在野の思想家」と評されており、「どうしたら個人として、集団として、平和な心で生きられるのか」をテーマに、講演・講義やワークショップなどで活躍されています。

何ゆえ「唯識」と「論理療法」なのか、そしてその関係と統合が目指すところは何か、については本書をじっくりお読みいただくとして、「人間の心の悩みの原因の解明とその解消・軽減のための対処法」という点で、その組み合わせの有効性はかなり高いと筆者は考えています。
 「論理療法」は、アルバート・エリスという臨床心理学者が、1950年代の半ばに創始した心理療法の一つですが、異文化コミュニケーションやアサーティブネスのワークショップやトレーニングにも大いに有効な概念と方法論だと思います。

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