コミュニケーション力

コミュニケーション力
斎藤 孝 著

岩波新書、2004年本書で著者は、10代から現在に至るまで実践してきた膨大な「対話」をふり返り、その対話の中で培ってきたコミュニケーションに対する基本的な考え方と数々の奥義を披露しています。

 コミュニケーションを「意味や感情をやりとりする行為」と定義し、コミュニケーション力とは、意味を
的確につかみ、感情を理解し合う力のことで、そのどちらの要素を欠いても豊かなコミュニケーションと
はいえないと著者は言います。コミュニケーション力の中でも、中心になるのは「文脈力」(著者による
造語)で、その意味するところは、文字通り「文脈を的確につかまえる力」です。この文脈力のレベル
は人によって様々で、自分の文脈力のレベルに気づくことからコミュニケーション力の向上が始まりま
す。異文化が交差する場面で仕事をする人は、特にこの文脈力は重要で、その力の向上が求められます。

また著者は、コミュニケーションにおける「身体性」言及します。曰く、「言語的コミュニケーションは、
身体的コミュニケーションを基盤にしている。」そして、最近起きている年少者による殺傷事件は、身体的次元のコミュニケーション能力の衰退が原因と推察し、身体による「響き合い」がもてない社会状況に警鐘を鳴らします。 電子メールやケータイによるコミュニケーションが横行する中で、面と向かったコミュニケーションの効用を説く著者に多くの方が共感を覚えるのではないでしょうか。

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